「また、ちょうどウェルテルと同じように胸に悶えを持つやさしい心の人がおられるならば、この小さな書物を心の友とされるがよい、もし運命のめぐり合わせや、あるいは自分の落ち度から、親しい友を見つけられずにいるのなら。」
震災のとき、1週間学校もいけず、ものも食べられず、寝てる日々が続いてた。
ほとんどニュースなんて見てないのに、何がそんなにショックだったのか自分でも分からない。
しかも、そのせいで自分の調子が悪くなって、生活に支障をきたしたって、何の意味もない。
インドにいる訳だし何もできないし、損してるだけじゃん。って思ってた。
独りぼっち、というのもあって悩み続けたりとか寂しすぎたりとか苦しすぎたりとかして
何も手につかないときがたくさんある。
わたしは、政府奨学金で、日本人で唯一、ここに、学生ビザで居るのに、
勉強が手につかないなんて、職業放棄じゃないか。と思うし
あまりにも不快な感情に追われて何もできなくなるだなんて、自分には何の得もないし、
誰も得しないし、むしろ損で、時間の無駄じゃないか。と思ったりしてた。
実際にそうなんだけど。何も手につかないで勉強できないってのは、仕事してないってことだから
ダメなんだけどさ。それ。
ひさびさに若きウェルテルの悩みを読み返して、悩み多きウェルテル、想い多きウェルテルに励まされる。
悩みすぎて、苦しすぎて、寂しすぎて、ショックすぎて、
食べ物が食べられなくなったり、
勉強ができなくなったり、
生活ができにくくなっている、
そのこと自体、私は生きているってことの証なんじゃないか。
ウェルテルならきっとこういう
自分が何もできないと分かっていて自分にはやるべきことがあることも分かっており、それを行うのが一番の解決策だと知っているとしても、遠くの人たちの苦しみや悲しみを少なからずも感じてしまい、そのせいで仕事が滞ったり、日常生活が送れなくなったりする人たちをみて、「お前は怠け者だ」としかるだろうか?
また、毎日の仕事や生活で手いっぱいで、何か大きなことが起きていることが分かっているのに、それに想像が及ばないと、そのことが感じられないと思ったり、やはり自分の立ち向かっている問題や仕事に打ち込むことを優先している人間に、「もっと苦しんでいるひとのことを考えろ、お前は優しくない」と怒ることができるだろうか?
ウェルテルならきっとこういう。
2011年03月
若きウェルテルの悩み、もう10年ちかく愛読していて、どこへ行くときも持っていく本だけどゲーテ、私より年下の24歳のときにこれを書いたんだなあ。
「われわれ人間はいい日が少なくって悪い日が多いとこぼすが、ぼくが思うにそれはたいてい間違っている。もしわれわれがいつも、神が毎日授けてくださるいいことを味わう率直な心を持っていられたなら、たといいやなことがあっても、それに堪えるだけの力を持つことができるだろう」
・・・・
「けれどわたしどもは自分たちの心持を自分たちの力ではどうすることもできませんわ。からだの調子がかなりものをいいますからねえ。調子がよくないと、何事にたいしても不機嫌になてしまいますわ」
・・・
「だからぼくらはそれを病気のように見て、何か薬はあるまいかとさがしてみたらどんなものでしょうか」
「ほんとうにさようですわ」・・・・
「わたくしは、どうも万事わたくしたちの心がけ次第だっていう気がしてなりませんの。現にこのわたくし自身がそうなんです。気がむしゃくしゃして機嫌が悪くなりそうなときには、すいと立って庭へ出ましてね、あちこち歩きながら対舞の曲の2つ3つでも歌いますのよ、そうしますとすぐ気持ちがよくなりますわ」
・・・
「それなんですよ、ぼくのいいたかったことは。不機嫌というやつは怠惰とまったく同じものだ。つまり一種の怠惰なんですから。ぼくたちもそもそもそれに傾きやすいんだけれど、もしいったん自分を振い起こす力を持ちさえすれば、仕事は実に楽々とはかどるし、活動しているほうが本当にたのしくなってくるものです」
高橋義孝 訳
「われわれ人間はいい日が少なくって悪い日が多いとこぼすが、ぼくが思うにそれはたいてい間違っている。もしわれわれがいつも、神が毎日授けてくださるいいことを味わう率直な心を持っていられたなら、たといいやなことがあっても、それに堪えるだけの力を持つことができるだろう」
・・・・
「けれどわたしどもは自分たちの心持を自分たちの力ではどうすることもできませんわ。からだの調子がかなりものをいいますからねえ。調子がよくないと、何事にたいしても不機嫌になてしまいますわ」
・・・
「だからぼくらはそれを病気のように見て、何か薬はあるまいかとさがしてみたらどんなものでしょうか」
「ほんとうにさようですわ」・・・・
「わたくしは、どうも万事わたくしたちの心がけ次第だっていう気がしてなりませんの。現にこのわたくし自身がそうなんです。気がむしゃくしゃして機嫌が悪くなりそうなときには、すいと立って庭へ出ましてね、あちこち歩きながら対舞の曲の2つ3つでも歌いますのよ、そうしますとすぐ気持ちがよくなりますわ」
・・・
「それなんですよ、ぼくのいいたかったことは。不機嫌というやつは怠惰とまったく同じものだ。つまり一種の怠惰なんですから。ぼくたちもそもそもそれに傾きやすいんだけれど、もしいったん自分を振い起こす力を持ちさえすれば、仕事は実に楽々とはかどるし、活動しているほうが本当にたのしくなってくるものです」
高橋義孝 訳
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