初めて聞いた人も多いと思うので説明してみようとおもう。
ネイテイブアメリカンの大人になるための通過儀礼、成人式
として知られているのだけれど、実際はアイヌの文化の中にもあったり、
かなりのたくさんの先住民たちの文化に似たような儀式がみられる。
実際、大人になるための儀式、っていうのをしなくなったのって
ここ100年ぐらいの話なんじゃないかな。日本でも。

はっきり、「こうすればヴィジョンクエスト」ってのはないけど
基本的に

+3-4日断食する
+その間一人になる
+その間自然の中で過ごす
+自分の場所を見つける
+最後の晩はヴィジョンを得るために結界を張り、その中で起きる
+帰ったあとは経験を分かち合うコミュニテイが必要
(だけど現代社会に還元するのはけっこう人それぞれ)

ってのがスタイルなんだろうと思う。

ネイテイブアメリカンの場合、女の子は真っ暗な部屋に数日閉じ込められるそう。
日本の社会では、死に至るほどの激痛を与えたり、
バンジージャンプも元は大人になるための通過儀礼だったり。

先住民の文化としては、
そうしないと大人として認めてもらえなかったっていうのがある。
大人になるには、痛みと経験が必要、っていうのが
昔の人のフツーの考え方でした。
とある人は、
特に大人と子供の境界線すら引けない現代社会の中
「受験勉強」がこれに値するんじゃないかとか
言ってる人もいる(笑)。

「ヴィジョン」っていうのは、「自分の生きる意味」「役割」
みたいなもので、「ヴィジョンクエスト」っていうのは
「自分の世界での役割の探求」みたいな感じになるのか。
あと、「悟りを求める旅」って訳してる人もいた。

断食中、自分が一番心地いい居場所を探してそこにとどまるのだけど
最後の晩は、鷲が現れてあなたの本当の名前(つまり、この世界にあなたがどうかかわってゆくかの役割)を告げたり、
歌を与えられたり、不思議な力を与えられたりもする。
自然というグレイトスピリットに、
自分が「したいこと」ではなく、「すべきこと」を教えてもらうのだ。

昔の人は、自分の存在意義を知って初めて大人になった。

現代の人たちは、
自然の中で食べ物もなく一人になり
すべての文明や社会から完全に離れて、
ごちゃごちゃしてる問題を解決したい、
って人が多いみたい。

ちなみに、
イエスキリストも、ムハンマド(イスラム教)も、
砂漠で40日間断食したそうです。