ところで、シッダ(アーユルヴェーダも同じ)にも、ホメオパシーのような「ポテンシー」があります。

ホメオパシーの治療では、同じ原料を使った薬でも、「ポテンシー」を変えることにより
重症~軽症の症状に対応します。
たとえば、Nux Vomicaという超一般的な薬には
「0」「30」「200」「1000」「1000000」といったようなポテンシーがあり
この「ポテンシー」が的確でないと
同じNux Vomicaという薬でも、効果が出ません。
(ちなみに「0」はチンキ状態で、Nux Vomicaは毒性の植物なので普通では使われませんが
私の先生は、自分自身の経験により、
アロパシーの薬による副作用の解毒に使っています。めちゃ効きます・・・
でも、たとえば「200」を飲んだとしてもそれにはあんまし効きませんw)




シッダにも、ホメオパシーとは全く違う医療システムですが、似たような「ポテンシー」があります。

たとえば、同じ Tinospora corlifoliaという薬草でも

低:粉薬
   ↓
  煎じ薬
   ↓
  チンキ
   ↓
高:シーンティルチャッカライまたはグドゥチサットワ(薬草のエキスを抽出しそれを乾燥するのを何度も繰り返した非常にポテンシーの高い薬)



という順番で効力が違います。
ちなみにこのシーンティルチャッカライは非常に有用で様々な病気に効きまくりで
しょっちゅう使われるため、どこの薬局に行っても見つからなかった~ という経験をしたこともあります。
粒子も粉薬と違い荒くなく細かいため、すっと吸収されるようですね。

薬がない場合は、煎じ薬の濃度を濃くしたりして処方したりします。
つまり、煎じ薬にも「ポテンシー」があります。
※しかし、最近の科学的実験では、
糖尿によく使われる煎じ薬は、古文書のやり方に書いてある通りに1/6に煮詰めた場合でないと効果が出ない
(1/7 や 1/8では効果がみられなかった)ということもあるので、その薬によって使い方は考えないとダメなようです。
※ちなみに1/7とか1/5とかはなく、4の倍数しか処方すべき煎じ方法はありません 1/4,1/8,1/16とか)



たとえばもし、レヒヤム(ギーと牛乳、ハチミツで粉薬に栄養を付加したもの)が効かなければ
キルタム(半オイル状の薬)というもう1つランク上のポテンシーに上げたりします。




これも、ホメオパシーと同じく、いきなしキルタムという高ポテンシーの薬を出してもダメで
その人の状態によっては低いポテンシーのほうが効いたり、体に合っていたりするので
もちろん、色んな状態を考えて処方しないとダメだったりします。
ここは、形は違えど、そしてたぶんホメオパシーの方が難しいですが(ポテンシーの数多いし)
ホメオパシーとけっこう似てる気がします。