「マルマ」とは

”Vasi nirai thadai paathal varmam"-マルマとは「ヴァーシ(いわゆる”気”)の流れがとどまった状態」を指します。それらのポイントは急所でもあり、そこを攻撃されると、死あるいは重傷となるポイントが「マルマ」と呼ばれます。
「アダンガル」とは、それらのマルマポイントが治療に使われるときを指します。

マルマ技術はケララとタミルナドゥの南の方、カニャクマリの周辺で発祥したと言われ、古代は動物を効率よく仕留めるために急所を打つためにも使われていました。伝統のマーシャルアーツであるカラリパヤットゥにも深いかかわりがあります。
マルマ技術を習得するには18年間の師匠との住み込み修行が必要と言われ、とても外国人が数日で習得できるものではありません。また、マルマ技術は悪用されると他人に危害を与えるため、簡単に一般には公開されず、師匠と弟子の間にのみ伝承されてきたという経緯があります。今でもマルマの施術者たちはこの技術の重要性を理解しているため、秘密を守っています。
マルマの理解にはベースとなっている基礎医学(解剖学、生理学、薬草、鉱物、そして哲学)の知識が不可欠になります。シッダ医科大学でも最終学年にならなければ習えません。シッダ医科大学を5年半履修したドクターでも最低でも1年~数年はかかります。

マルママッサージとは、アダンガルの概念を応用した特殊な治療目的のマッサージです。
このマッサージは、32種類ある外用薬のうちの1種類である、トッカナムと呼ばれる皮膚を通した治療法のほんの一部にすぎません。アダンガルには他にも服薬・耳や鼻、目、を通した服薬・舌や視線、息を使った方法・温熱療法・米粒やコットンシードなどの自然物を使った刺激法、など様々な方法があります。これらの目的は「滞った”ヴァーシ”を効率良く取り除く」ことにあります。その効果は、数分で半身不随の人が握力を取り戻したりなど、奇跡のような強力さがあります。そのため、間違った使い方はできないため、ふさわしい知識と人格を持った人にしか教えられない伝統でもあります。
日本に伝わる鍼灸技術はマルマの一部と考えられています。

現在、シッダ医科病院では、これらの技術の一部が実践に使われています。マルマ・アダンガル技術は、内臓系の疾患にも非常に有効ですが、特に整形外科では素晴らしい功績をあげており、CT・MRI・レントゲンなしで診断・手術なしでの治癒を可能にしています。