空想のジュリエット:
「・・・ああ、ロミオさま、どうして私のために死んでしまったの?私の愛が伝わらなかったの?本当に私を愛していたの?私が死んだことを悲観して命を絶ってくれたことはある意味うれしいわ。・・・でも、それで私が本当に喜ぶと思ったの?私があなたを愛していることを知らなかったの?愛する者には、別れようと、私たちの関係がどんなに悲しいものになってしまおうと、生きていてほしいと思う、まっさらな感情があなたには分からなかったの?あなたのその死は、結局は自分のためのものであることが分からなかったの?あなたにはどんな形であれ、幸せになって欲しかったのに。こんなの・・・みんな悲しむわ。きっと、あなたを育ててきた人、あなたと共に育った人、みんな悲しいわ。それよりも、私が一番悲しいの。どんなことよりもあなたが自分の力で自分の命を絶ってしまったこと、そしてそれを後押ししたのが私だということ。それが何よりとても悲しいわ。
私はあなたのために死なない。代わりに生きるわ。ほんとうにあなたを愛しているから。あなたもきっと、ほんとうは私に生きてほしいと願っているはず。
・・・ああ、ロミオ、この強さをありがとう。私はきっと強くなって、あなたという命をこの身に受け継ぎ、キャピレット家とモンタギュー家の仲直りに努めるわ。私たちこそがやるべきでしょう。もう何にも負けない。あなたとの絆と愛を信じて、私はやるわ。私はあなたから、人を肩書きや見た目に惑わされず、一人の人格としてきちんと向き合い、愛することを学んだ。私はきっと、あなたのためにあなたのお家と仲直りするの。たとえ・・・それがどんなにつらいことだろうと・・・。」
ジュリエット、一度涙が溢れて、言葉につまる。
ジュリエット:「・・・ああ、ロミオ、ここで死んでしまえたら、どんなに楽でしょうね。でも、そうしないわ。私たちの友情のために。私たちの友情を認めてくれた神父さまや私たちの親友のために。」
ジュリエット、剣を捨てる。自分の入っていたお棺に彼の冷たい体を代わりにやさしくしまう。顔を撫で、口付けする。顔は今までのような温かさはなく、ただ冷え冷えとしている。
ジュリエット:「ありがとう」
ジュリエット、立ち上がり、扉のほうに顔を向ける。何かを決意した表情。目には涙が溢れ続けている。しかし扉を開け、外に出る。
こっちのが絶対いいだろ。泣けるだろ。
